今月のキーワードは「昆布水」。昆布を漬けて一晩置いた水を食生活にプラスするだけで、健康効果が期待できます。今回は、管理栄養士・料理研究家の成澤文子(なりさわ・あやこ)さんに「昆布水の健康効果と活用レシピ」について紹介してもらいました。
加齢により知らず知らずのうちに口腔内の機能が低下します。
「加齢に伴う味覚低下は自覚していない方が多いのが現状。味覚障害は、亜鉛不足や病気の合併症によって起こることもありますが、唾液の減少も大きな原因の一つです。唾液が減ると食欲が低下し、口腔内や胃腸に悪い影響が出て、口臭の原因になることも。そこでおすすめなのが『昆布水』です。高齢者施設でも行われる療法で、大さじ1杯程度の昆布水を口に含むだけ。うま味を含んだ水が舌を刺激し、唾液の分泌を向上。料理に使えば減塩効果もあります」(成澤さん)
真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布など「だし用」と記されているもの。煮物用昆布や原材料に昆布以外の記載があるものは向きません。
口に含んだ後、飲み込まずに吐き出しても効果があります。「昆布水」には甲状腺の機能低下を起こす可能性がある「ヨウ素」が含まれるため、過剰な摂取は控えましょう。
(1)昆布についたほこりや汚れを布巾でよく拭きとる。ボトルはきれいに洗う。
(2)昆布と水をボトルに入れる(水100mlあたり、昆布1g)。
(3)冷蔵庫に入れ、一晩置けば完成(3~4日間の冷蔵保存が可能です)。
漬け終わった昆布は細切りにし、佃煮などにしておいしく食べられます。
昆布水のうま味がしっかり染みるので、塩分をかなり抑えることができます。
うま味が染みて味わいアップ
1人分81kcal/塩分0.2g(※煮汁は残して計算)
かぼちゃ...200g
昆布水...適宜
塩...小さじ1/8
(1)かぼちゃは一口大に切って面取りをする。
(2)鍋にかぼちゃを入れ、かぶるくらいの昆布水と塩を入れる。
(3)落とし蓋をし、静かに煮立つ火加減で5分間煮る。
お好みの野菜を茹で、少々の塩を入れた昆布水をかけるだけ。素材のうま味が際立つ一品です。
素材の持ち味がグンと引き立つ
1人分17kcal/塩分0.2g(※かけ汁は残して計算)
オクラ...6本
いんげん...8本
昆布水...50ml
塩...小さじ1/4
鰹節...適宜
(1)オクラはガクをぐるりとむく。いんげんは筋を取り、それぞれ茹でてざるに上げ、器に盛る。
(2)昆布水と塩をよく混ぜる。塩が溶けたら(1)かけまわし、鰹節を盛る。
塩分はほぼゼロなのに、昆布水に染み出したうま味の効果でおいしさがアップ。仕上げにオリーブ油を加えることで、トマトの栄養が吸収されやすくなります。
トマトと昆布のうま味がギュッと凝縮
1人分46kcal/塩分0.04g
無塩トマトジュース...150ml
昆布水...大さじ1と1/2
オリーブ油...少々
(1)コップにトマトジュースと昆布水を入れて混ぜ合わせる。
(2)オリーブ油をかけていただく。
塩味をしっかりきかせたい場合は漬け時間を長めに。薄味がお好みの方は短めに。お好みで調整を。
薄味なのに濃厚なうま味!
1人分76kcal/塩分0.3~0.4g(※漬け汁は残して計算)
卵...2個
(A)昆布水...50ml
(A)塩...小さじ1/6
(1)鍋に湯を沸かし、冷蔵庫から出したての卵をスプーンにのせてそっと入れ、8分茹でる。
(2)茹であがった卵を冷水にとり、殻をむく。
(3)ポリ袋にAを入れ、(2)を入れて冷蔵庫で5時間から一晩置く。
取材・文/和栗 恵 撮影/齋藤ジン 栄養計算/成澤文子
管理栄養士・料理研究家
成澤文子(なりさわ・あやこ)さん
家庭で作れる本格レシピが人気。メディア・企業に向けたレシピ提案から食育指導、特定保健指導など健康支援でも活躍中。
旬なコトを教えてくれる「今月のメモ」など、豊富な連載が魅力です