日本の歴史には、不思議な„空白“が存在する。3世紀、女王卑弥呼が治めた時代の記録は中国の史書に残る一方、その後の約150年間、日本側の記録は驚くほど乏しい。いわゆる「謎の4世紀」、「空白の4世紀」と呼ばれる時代である。だが、この沈黙は単なる記録不足なのだろうか。巨大古墳の出現、東アジアとの外交、そしてヤマト王権の成立――近年の考古学の成果は、むしろこの時代に大きな変化が起きていたことを示している。さらに、『宋書』に記された「倭の五王」の存在は、王統の継承が一筋縄ではいかなかった可能性を浮かび上がらせる。もしかすると、日本の歴史は、この時代に„書き換えられた“のではないか――本特集では、文献史学と考古学の成果を手がかりに、日本国家誕生の謎に迫る。